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旅行記:北海道の全駅を取る4日目

さゆりんです。

 

北海道の全駅を取る9日間の旅もいよいよ4日目です。ここまで旅行してもまだ半分に達していないのでやはり北海道の大きさを実感します。

 

さて今日は札幌周辺の駅を大体取ったということで拠点を変えるべく移動します。函館方面は帰りに新函館北斗から新幹線に乗る都合で後で良いとして東北海道を取ろうと思います。ただそうなると次の拠点をどこにするのかで今後の行程がだいぶ変わってきます。

 

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図のように北海道の東側の鉄道網は、主に稚内に向かう一筋の宗谷本線と、北海道の中央にある富良野線留萌本線、東半分をぐるっと回る釧網本線石北本線根室に向かうこれまた一筋の根室本線釧路駅以東は花咲線と呼ばれる)などがあります。

 

このような事情により拠点に据えるべきところといえば路線が密集している旭川あたりが合理的です。シンプルに札幌に次ぐ大きい街であるのも考えると安心です。ただしそうすると根室に向かう路線を取るのが非常に手間になってしまいます。

 

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そこでこの4日目は一気に根室まで移動し、行くのが大変なところを先に取ってしまう作戦を決行しようと思います。根室から折り返した釧路で1泊し、翌朝に東半分をぐるっと回る路線で旭川に向かい5日目以降の拠点にしようと思います。釧路もまた北海道で4番目に大きい街なので恐らく宿にも困らないでしょう。

11:50 札幌駅

https://www.jrhokkaido.co.jp/train/img/photo/tr007_261.jpg

というわけで早速釧路方面へ向かう列車に乗り込みます。今回乗車するのは特急おおぞらという札幌駅から帯広や釧路方面に直通する列車です。写真は何故か撮っていなかったのでJR北海道公式の宣材写真で置いておきます。

 

ここからは4時間程度の長めの乗車になりますが、お昼にみよしのの餃子カレーを食べておいたので安心です。

※みよしのとは餃子カレーやラーメンが美味しい札幌近郊で見られるローカルチェーン店です。メニューを見ると茶色が殆どでどれも美味しそう。

https://miyoshino-sapporo.jp/menu_list/

 

釧路行きの列車はこの他にも6:48発のおおぞら1号と8:51発のおおぞら3号もあるのですが、今回の旅はキツくない完乗をテーマにしているので朝早いこれらは見送りました。しっかりチェックアウト時間までホテルにいることができます。また、これより遅い列車になると根室まで行って釧路に折り返すことは不可能になります。

 

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この特急おおぞらは途中の新夕張駅~新得駅の周辺で夕張山地や日高山脈といった山岳越えをするのですが、この山脈がめちゃめちゃ長くて大変なことになっています。

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拡大するとこれ、めちゃ長い直線のトンネルやぐるっと迂回する線路など何とか何とか山岳地帯を超えるための工夫がなされています。その昔の建設期間や運行の最初期は事故が何件も発生している屈指の難所というところです。この辺りになると一駅という概念ですら大冒険みたいなものです。このトマム新得の1駅間は特急列車でさえ20分を要します。更にめちゃ長いトンネルの走行中は電波も通じず走行音と謎の金属音がトンネルに響いているというちょっと怖い時間です。感覚的には途中で何らかの人智を超えた現象が起こったり山賊が襲撃してくるとかあっても不思議ではありません、何もなかったけど。車窓からクマが歩いていたりするのは見られました、これは見間違えであってほしい。

 

ここの新夕張新得区間では、少し前に廃線になってしまった夕張支線や、災害により代行バスで運行されている根室本線の一部をレーダーアイテムで取ることができます。これらの駅を素直に取りに行くとそれだけで膨大な時間が掛かるので惜しみなくレーダーを使用します。

 

ちなみにその根室本線代行バス区間にはその昔は新内駅という駅が以前ありました、残念ながら廃駅になっています。

 

さて、このちょっと怖い区間を超えると大都会の帯広に到着です。帯広で釧路までの6割くらいに達しています。ここ帯広を超えると、先ほどまでとは打って変わって太平洋に沿ったように走っていきます。大都会から山岳へ、そして海へと、1本の列車で移動できるのが北海道の鉄道の凄さと言えるかもしれません。

 

さて、この帯広駅周辺で何やら困ったことが起こりました。アナウンスによると、気温があまりにも高くなりレールが変形してってしまっているため徐行するとのことです。

 

恐らくこれは金属の線膨張現象によるものです。線状の金属は高温になるほど長くなり、低温のほど短くなります。例えば鉄の場合50℃の差があると長さの変化が2cm程度です。推測ですが北海道の鉄道は極寒の冬にレールが短くなっても隙間が大きくなり過ぎないようにレールを敷きつめる際の隙間を小さめに調整しているのでしょう。そのため夏の日差しで加熱され異常な高温になると、伸びきったレールは隙間がなくなり遂には直線を保てなくなってしまったのだと思われます。

 

幸いなことに徐行運転としては引き続き走行可能で、帯広地域外では通常走行できるとのことでした。ただし遅れが大きくなれば根室行きへの乗り換えができなくなり、結果この今回の作戦は全て練り直しになってしまいます。「早く気温下がってくれ。ほらなんか雲出てきたじゃん何とかあれで冷えろ。」と、そんな祈りをしながら釧路に向かいました。

 

16:12 釧路駅

20分くらい遅れて到着しました。根室行きの花咲線は16:12発なので本来なら乗り換え失敗です。しかし寛大な心をお持ちのJR北海道様はなんと、特急列車との接続を待っての発車にするという判断をしてくださいました。この花咲線は2~3時間に1本という路線なので、もしこの接続がなければそれだけの時間を待たないといけません。この後の旅程を全部作り直すことになるので、それが回避される大変ありがたい対応です。

 

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この後は根室行きに乗って花咲線の全駅を取っていきます。急いで乗ったため写真が撮れず、同車種が使用されている釧網本線の写真で代用します。ここ釧路~根室は鉄道では最東端に延びる唯一の線となっており、北海道の東の果てをどんどんと目指していきます。途中カキで有名な厚岸駅などを通ります。1両編成ですがトイレもついていて乗車人数的にそこまで混むというほどでない状態でした。

途中の東釧路駅からはまたしても北海道ではよくある高校生の下校と思われる集団が乗ってきました。この日は7月後半なのもあり、試験が返ってきてアレだったとか、もうすぐ夏休みだからどう過ごすとかの話をしていました。とある女子高生は黙々と赤シートを使って何らかの参考書を読んでいました。勝手な想像ですが、こういった本数がかなり少ない路線では鉄道で帰る組は必然で一緒の列車で帰ることになりそういった友達を作りそうです。実際そういった友達なのであろう組がほとんどの中なぜか一人の勉強時間を過ごしている姿にはどこか親近感を覚えました。

 

そんな夏満喫高校生&赤シート女子高生は厚岸駅で降りていきそれぞれの帰路についたようです。こういう一斉に降りる駅に来ると、例え駅前はそう見えなくてもやはり大きな街なのだと感じます。

厚岸駅を過ぎるとデカいカメラ持った明らかに鉄オタのオジサン2人と数人の地元民と思われる人しか乗り合わせませんでした。厚岸駅は花咲線の中ではまだ半分にも達していないですが、この先はここまでよりも更なる秘境路線となりそうです。

 

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これは厚岸駅より少し釧路駅側にある尾幌駅という駅なのですが、これが駅舎というのもすごいように思います。元々貨車として使用されていたものを駅(厳密には待合室)と呼んでいるようです。道内は降雪や野生動物から身を守るためにこういった最低限の待合室が必要になるようで、どんな僻地の駅でも少なくとも物置小屋は用意されていました。

 

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更に根室側に進んだ茶内駅では何故か銭形のとっつぁんが佇んでいました。どうやらルパン三世を描いたモンキー・パンチ先生が北海道厚岸郡の出身だそうで、それを記念したパネルのようです。

 

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車内から急いで撮ったのでアレな写りになっていますがリアル目なイラストの牛さんと写真が撮れる撮影スポットもありました。顔ハメというレベルでない空白になっている気もしますが、牛さんも可愛くとても良いおもてなしです。

 

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途中で作業専用車を見ることもできました。ぞうさんのイラストが可愛いです。

 

18:49 根室

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釧路駅を発って2時間30分、根室駅に到着しました。ここ根室駅はやはり根室駅に来るという目的で訪れる人も比較的多く、折り返し乗車する場合も一度改札を抜けるように促されました。

 

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こちらは乗ってきた車両です。車両にはあまり明るくないのですが国鉄時代から使用されている古めの車両のようです。


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こちら根室駅は日本の中で最も東にある有人駅、最東端の路線の末端駅となっています。
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根室駅に降り立つと鳥キャラが歓迎してくれます。こうしっかりお出迎えされると折り返しの時間しかいないのが申し訳ないですね。


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蟹キャラもお出迎え…ではないですが待っていました。海鮮キャラがやはり多いようです。
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北海道でも夏はやはり暑いのですが、ここ根室は降りるとひんやりしていました。


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花咲線は100周年を迎えるそうで、大変歴史ある路線のようです。
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道外の人にとっては釧路ですら東端のイメージがありますがそこから更にこんな長いとは北海道はやはりすごい広さです。
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ちなみに日本最東端の駅は無人駅を含めると根室駅から一つ隣の東根室駅です。ここの駅にも記念碑が立っていて降りると記念撮影することもできますがそうすると根室駅に寄るのが難しくなってしまうのが難点です。

 

19:04 根室

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乗ってきた列車に再度折り返しで乗車して釧路駅を目指します。ここから先は単純往復になり駅を取る目的もなく、更に日没を迎えて真っ暗になり新しい景色を見ることもできないので寝るなどして過ごします。

 

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こちらは根室駅の時刻表ですが、この19:04発が終電となっています。19時で終電は早すぎる...!根室駅から勤務する人は少し残業したら即泊り確定、根室駅周辺に住むカップルは19時頃に「もう終電なくなっちゃったね」と言って贅沢に時間を使いながら夕飯もしっかり食べてお風呂もゆっくり入ってちょっとゲームとかやった後に寝ることになるのでしょうか。

 

21:39 釧路駅

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釧路駅に到着です。牛乳パックのロゴとかで見ることしかなかったあの根室まで行って戻ってきました。

 

明日にここ釧路から北上して網走に向かい、そこから旭川へ向かえば北海道の東半分の駅を全て取ったことになります。そしてこの9日間の旅もようやく折り返し地点といったところです。

 

殆どの店が閉まっているため本日もコンビニの夜ご飯です。とりわけ珍しいのもなかったので食べやすい鮭おにぎりにしました。

 

今晩泊まったホテルでは朝食が無料で付いているそうなのでそちらでお腹いっぱい食べようと思います。明日の出発は列車の都合上どうしても早くなってしまうのでちょうど良いところです。

 

 

本日の制覇路線

石勝線(南千歳〜新得

根室本線新得〜釧路)

根室本線花咲線)(釧路〜根室

 

レーダー取得

室蘭本線(遠浅〜栗山)

石勝線(新夕張〜夕張)

根室本線(下金山〜落合)